無能な働き者

 

私が考えるに将校には4つの特性がある。利口、愚鈍、勤勉、怠慢である。多くの将校はそのうち2つを併せ持つ。


・「利口で勤勉なもの」これは参謀将校にするべきだ。

・「愚鈍で怠慢なもの」これは軍人の9割にあてはまり、日常業務をこなす事に向いている。

・「利口で怠慢なもの」は高級指揮官に向いている。なぜなら確信と決断の際の図太さを持ち合わせているからだ。

・「愚かで勤勉なもの」このような者は害を及ぼすのみであるので、いかなる責任ある立場も与えてはならない」 

 

 ウィキペディアによると、クルト・フォン・ハンマーシュタインというドイツの軍人が新聞に記述した、軍人の特性と組織における役職について述べたものであるという。

 

 なぜこれを引用したかと言えば、「愚かで勤勉なもの」について怒り心頭であるからに決まっている。そういう私自身も無能の一角を成しているという自覚はあるが、私は周囲に害を及ぼさないという無能の品格は持ち合わせている。

 

 一緒にペアを組んで仕事をする場において、こういうタイプの人と組むと悲惨の一語に尽きる。加えて最悪な事に、この人はグループのリーダーで、形式上は私よりも上の立場になる(ちなみに私は非正規なので、ペアにおいても下の立場)。

 

 役職を当てた理由は、話によると「役職が人を育てる」といった思惑もあったようだが、目の前の仕事の中身がなく、メインの考えたり準備したりする仕事のほとんどを私初め、周りの人に振り、自分はサブとして行き当たりばったりで対応している。

 

 無能な働き者は、私から見ると「荒らし」という言葉が適切で、その人が通った後は無惨に荒れ果てており、それまで折角整えた場が台無しとなる。もちろん本人は自分が台無しにしたという自覚もなく、私がコツコツと積み上げた場に良き頃合いを図って無邪気に入ってきて、成果を享受し自分の成果とする事も忘れない。

 

 腹立たしい事に、周囲に向けた文章やまとめ、報告などはまともで饒舌。いつも明るくハキハキと話すので、他の人からは見えづらいようで何の問題視もされない。

 

 一度グループのリーダーとは思えないような問題を起こし、尻拭いや後処理などは私がすることになった。その後ふてくされて職務放棄のような態度が続き、私は二重苦三重苦となったが、本人は何ら反省も自覚もなく、明るく元気に出勤し、職場でスマホを充電し、他の人から見えない所で、中身のない仕事だけをやっている(ようなふりをしている)。

 

 周囲の人はその状況を知っているのか知らないのか、、、みんな見ているから薄々わかるはずだと私的には思うが、みんな見てもスルー、聞いてもスルー、訴えてもスルー。適材適所で他の職種であれば、良き人材となったかもしれない。がしかし、現職では無能。それもアグレッシブ無能。さりげなく言ったり見せたりしても努力する気はない。勘弁してほしい。

 

 無能が悪いわけではない、私自身も無能である。謙虚な無能は許す!自覚のある無能は許す!向上心のある無能は許す!自覚なく空気のように害を及ぼす人と一緒にペアを組んで仕事をする辛さ!無能を無能と言えない苦しさ!

 

 ダメな事はダメという空気感、倫理観のある職場で働きたい。