咳エチケット
咳エチケットという言葉が会場に表示されているのを最近見た。
昔はそんな注意書きなかったような気がする。
でも、確かに最近私が行った複数回のイベントでは、咳する人が結構いた。
結構いるというか、たぶん数人がちょっとずつ咳をしてる。
なので、全体を通して定期的に咳の音が聞こえる。
咳は小さくても本人が思っている以上に会場中に響き渡っている。
咳の音ってすごくよく通るので、遠くに居ても聞こえる。
2000人規模の会場で5〜6人は咳をする人がいた印象が複数回ある。
咳の音にも違いがあるので、ざっくり性別やどの辺から聞こえるのかもわかる。
先日は隣が咳をする人だった。
咳き込むわけではなく、痰が溜まってきてそれを切るような感じで定期的に数回咳をする感じ。
たぶん日常的にはもっと頻繁に咳をしているけれど、会場では小さく少しだけ咳をして控えているから問題ないと思っているのだと思う。
咳をしている人は皆そういう感じ。
鼻をすするクセがある人がいるけれど、それと近い感じがする。
だから呼吸をするように咳をしている。
咳をしている人は、会場に表示してある咳エチケットの注意書きが自分のことだとは思っていないのではないかと思う。
というのは、咳の音はどれも口をハンカチなどで押さえたような音ではなかったから。
私は一度も咳をしなかったし、咳払いをする習慣もない。
私が咳をするのは、むせたりして咳き込む時や冬に喘息っぽくなる時期の咳か、風邪を引いた時で、これらは簡単には収まらないのでだいたい席を外す。
私にとっては咳は出てしまうものであるが、習慣として自分から咳をする人もいるのかもしれない。
咳というよりは、痰を切る音といった方が適切なのかもしれない。
それらを考えると、高齢化という結論に達した。
以前聴きに行ったピアノのリサイタルでも咳の音が頻繁に聞こえて驚いたが、お客さんは見た感じ年齢層が高めだった。
講演会などでも年配者が多いと咳をする人が一定数おり、咳の音でその場の年齢層が測れる。
若い人が多い音楽ライブなどを思い出すと、咳をしている人は見当たらなかった(爆音だから気づかないか)し、注意書きもなかった。
そう言えば、若い観客が多い演劇もすっごく静かで、逆に私のお腹が鳴りませんようにと祈ったくらいだ。
生理現象で仕方ないのかもしれないが、これからさらに増えるのかもしれないなーと心しておいた方がよさそうと思ったり。
自分も何年か後には普通に痰がからんで普通に咳をするようになるかもしれないし。
若い人が集まる場において、逆に自分が場違いな振る舞いをしている可能性もある。
加齢に伴うことは未来の自分の話でもあるので難しい。
とりあえず、咳の音は小さくても会場にいる全員に聞こえていますよ、と申し上げておく。
そのインパクトを視覚化すると、一人ずつ舞台中央に上がってグランドピアノの横で咳をしているのと同じだから。